03
2016

距離系男子な日々Vol.6 モノクロの眼

写真となる像が判然としないレンジファインダーは、ある意味で写真から自由であり、モノクロ写真への敷居を下げてくれるような気がします。


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LEICA M-E/SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH.


フレーム外まで見えるファインダーはパンフォーカスで、レンズが結ぶ像とは一致せずパララックスが生じています。簡単に言い換えると、レンジファインダーでは正確なフレーミングが不可能で、ボケ方やパースペクティブのつきかたを確認することが出来ないのです。 

一眼カメラの場合、ファインダー像は実際の写真に近いイメージを見ることが可能になっており、それは非常に画期的な機能であると言えます。一方でレンジファインダーは全く違う機構を持っており、少なくともこの光学ファインダーではレンズから入ってきた像を見ることは出来ません。

この不便なファインダーにメリットがあるとしたら、いったい何でしょうか? 様々な条件で、使いやすい面と使いづらい面がありますが、レンズキャップを着けたままでもピント合わせが出来るのが非常に大きなアドバンテージです。

ええ、冗談ですよ。


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COSINA Zeiss Ikon/SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH./ILFORD XP2 400 

濃度の高いNDフィルターやカラーフィルターを使ってもピント合わせに支障が出ないのは、レンジファインダーが持つメリットの一つです。モノクロ撮影におけるカラーフィルターの効果は、特にデーライト撮影においては、太陽が当たっている部分(言い換えるなら、白色光で露光されている部分)と日陰(ひいては、青空で露光されている部分)の減光率の違いを活かし、写真の陰影を強めたり、逆に弱めたりすることです。

簡単に言えば、黄色、橙色、赤色の順に影が濃くなり、空色のフィルターによって陰影は弱まることになります。モノクロ写真で青空を黒くし雲を白くするためには、黄色、橙色、赤色のフィルターを使うのが一般的です。

概ね橙色のフィルターで白色光が1.5〜2段減光し、青空は5段ほど減光します。相対的に見ると、青空が3段落ちることになります。


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COSINA Zeiss Ikon/SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH./ILFORD HP5 PLUS

色彩から自由になることで、被写体の形や陰影に集中出来るのもモノクロ写真の魅力の1つです。それは写真の見え方についてだけでなく、スナップ撮影で被写体と光を探すときに、自分が何に注意を払うのかにも影響が出てくる要素です。


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LEICA M-E/SUMMICRON-M 35mm F2 ASPH. 

太陽が出ていれば明暗のコントラストが生まれ、それは視覚的に面白い効果を得られるチャンスです。逆に曇っている日は影がなく、被写体と背景との間にコントラストを生じさせるために明るさ(反射率)の違いが出る場所を注意深く探します。

レンジファインダーカメラもモノクロ写真も敷居が高いですか? 確かに、何かを得るために他の可能性を排除する撮影スタイルには不安がつきまとい、あと一歩の勇気が出ないものです。ですが、思い出してください。マイナスの相乗は、決して大きなマイナスではなく、なぜかプラスになるのです(本当に、どうしてそうなるのでしょうか?)。

 ”難しいと思っていた2つの要素が掛合わさることによって、思いがけないプラスの解が導き出される”などとは虫のいい話ですが、それでもこの組み合わせが貴方の眼と心に”しっくりくる”なら、それ自体が大きな発見であり、この上ない祝福をもって迎え入れられるべき出来事だと思うのです。


Mモノクロームという選択肢は、この記事を読んだ貴方のために用意されているのだと思います。ぜひ、可能性を掴み取っていただければ、と。




(2017/01/26訂正:記事タイトルがVol.7になっていたのを、Vol.6に訂正しました)
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