10
2015

ハーフ・シュートスルー

CATEGORY男性
ライトシェイパーの面白いところは、マニュアルに書いてない使い方をしても咎められないことです。黒いガムテープでぐるぐる巻きにしたり、木の上から吊したり、スタンドを使わずに地面に直置きしてみたり。カバーを中途半端に被せて光らせるなんて、まだ可愛げがあります。

DSC_8777_R.jpg
Nikon D800/Nikkor 24-70mm F2.8G ED


”破壊衝動に駆られた奇行”とか、”場違いな独自性”でアンブレラを滅茶苦茶にするのも面白そうですが、今回はそういう話ではありません。コンバーチブルタイプのシュートスルーアンブレラは、裏地が銀色の黒いカバーを被せることで反射アンブレラにもなりますが、これを半分だけ覆うように使うのです。


XDSC_8780.jpg



こういう使い方は、普通ではありませんが、特別なことでもありません。例えばシュートスルーのソフトで立体感のある陰影が欲しいけれど、それが広範囲に及んでは困るときなどには、こういう“覆い”があると便利です。顔だけ明るくして、身体に当たる光を抑えるなんて使い方も出来ます。

今回はそういう器用な使い方ではありませんでした。なぜ発光面を半分にしたのか? ここで略図を見てください。シュートスルーも60インチアンブレラも、そのセンターが被写体から僅かにズレていることが分かってもらえるでしょうか? これは適当に描いたからズレているのではなくて、ライトをセットするとき、そのようにずらしていたからです。


illust2015035_R.jpg



シュートスルーのセンターは被写体の奥側の肩を狙っていますが、これは伝統的なライティングテクニックの1つです。放たれた光は中心ほど光量があり、周辺は減衰しています。光量のある光軸の中心をより遠くに、光量の少ない周辺をより近くに当てることで、被写体全体におけるハイライトからシャドーまでの繋がりを緩やかにすることが出来ます。もし光軸の中心を被写体の中心に当てたら、被写体の左右で露出差の激しい写真になります。

しかしながら、この方法では光を半分しか被写体に当てることが出来ないことも分かるでしょうか? カバーで覆わなくても、です。自慢のSB-910が放つ光の半分を捨てているなんて信じられません。しかも、捨てられた光は床や天井に反射して画面内に影響を及ぼすかもしれないのです。広いスタジオならまだしも、家の中にライトスタンドを立てただけの狭い仮設スタジオなら、漏れた光が余計な露光をすることが充分に有り得ます。場合によっては、レンズフレアの原因にもなるかもしれません。使わない部分はカットしなければ…。

そういうわけで、被写体に当たらない光を放つエリアをカバーで覆いました。



仰々しい60インチのアンブレラは、かなり控え目な役割を担っていました。ほんの少しだけ影を起こすことと、目に2個目のキャッチライトを入れることです。大きいからと言って、強い影響を出す必要はありません。もたらすべき場所に、もたらされるべき光を当てるのがライティングです。
久しぶりに会った友人から”丸くなった?”と言われたので、少し影のある写真を狙います。あまり影を起こさないよう、弱く、控え目に…。


スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment